2008-02-21 16:09 | カテゴリ:学園
アンリ・マティス(画家)1869年(明治2年)~1954年(昭和29年)
1969年12月31日、フランス・カトー・カンブレジに生まれる。
1889年から翌年にかけて故郷の法律事務所に勤める。1891年、画家になること
を決意。パリに出て国立美術学校のギュスターブ・モロー教室などで学ぶ。
1905年にはその作品の激しい色彩の表現から「野獣(フォーヴ)」と非難され騒ぎになる。フォービズムを代表する画家であり、近代のピカソ以降の画家に大きく影響をしたアーティストである。


untitled2.jpg


今回は本でないものを私は紹介したい。数多く紹介したいものはありますが、今後シリーズ化して様々な面から芸術に触れていただきたいと思います。 

アンリ・マティスというと画家として有名で、フォービズムを代表する画家であり、その色使いに私はデザイン的でリズミカルなものを強く感じていました。特に晩年の作品は、マティス自身が大病をして、絵筆を握らなくなり、色紙などを使っての制作にその構成の上手さやリズムを感じることができます。また、南フランスを訪ねたときにはマティスの描く作品の中にその風土を体験することができました。

ちょうど今から11年前に、私は母校(大学)の給付金で、1年間のフランス留学をしていた時期に訪れることのできたマティスの教会を紹介したいと思います。画家なのに教会を作ったの?と思っている方も多いかもしれませんが、現在でもアートプロデューサーという仕事があるように、教会に関するすべてのプロデュースをマティスはしていたのです。

8月の暑い日に(日本ほど暑くなく湿度が少ない)南フランスのヴァンスにある中の少し高台にある教会を訪ねました。教会が開くには早い時間に到着し、その近辺の空気を味わっていましたが、教会も観光名所になり、入場料を払っての見学があることに少しだけがっかりとしていました。

さて、門が開き入場料を払い「さあ」と思っていると、若い牧師さんに案内をしていただけるということでした。

教会の歴史を聞きながら教会の中央にゆき、礼拝堂に入った瞬間、「神様いるかも・・・」とおもわず考えてしまいました。入場前のがっかりした気持ちは吹き飛んでいきました。

礼拝堂には特に具体的に象徴するものはないのですが、マティスが作り上げたステンドグラスに南仏特有の日差しが教会内に入り、その空間が、私自身をとてもあたたかく包み込んでくれているように感じたからそう思ったのかもしれません。

ステンドグラスなどはとてもはっきりとした色使いがしてあり、今でこそ落ち着いた感じではありますが、制作当時はとても派手だったと思われます。また、キリストや旧約聖書の話を簡素に描いているあたりは、マティスの人間本来のもつ純粋なところを浮き彫りにしている気がします。司祭の洋服もマティスは手がけていて、そのデザイン性がとても美しく感じられました。

この教会を訪ねたあと、マティスは画家でありながら、すべてをプロデュースできたデザイナーでもあったこと。まだ、デザインという言葉がない時代に新しい取り組みがされていたことを思いました。

現代においては理論的にモノゴトを考えることが必要だと思いますが、逆に、感じることの重要性を知った大切な時間でした。

今すぐにというわけにはいかないと思いますが、将来、機会があれば南フランスの風土、マティスの思いを感じに行かれてみてください。

untitled.jpg


tutida.jpg
(美術科 土田義昌)